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念願かなって、あの有名な裸祭り、岡山西大寺の会陽(えよう)に参加した。
9時に道場を閉めてから、新幹線に飛び乗って岡山へ。さらに赤穂線に乗り換えて西大寺駅に着いたのは23時14分。裸男たちが奪い合う宝木(しんぎ)の投下時間は0時だから、こりゃ参加は無理かなと思っていたが、駅で待ち合わせた地元の友達が地元ならではの土地勘のよさで寺に一番近い着替え所まで案内してくれた。 着替え所の前で足袋とまわしを1000円ずつで購入、ブルーシートのテントの中に入る。まわしは、本尊様の印が押された長いさらしをトイレットペーパーのように巻いたものである。六尺の締め方は知っているが、こいつはどう巻くの?巻き方が分からず長々と延ばしていたら、 「あー、延ばしたらダメダメ!」 とまわし姿の人に叱られた。 「巻いてやろうか」 とおっしゃるので、ありがたく甘えることにした。ハイ、お腹をいっぱいにへこませて。回って。前をおろして。回って、回って。お腹の周りに幾重もさらしを巻かれ、最後に後ろで結わえてもらって完成。友達もほかのおっちゃんに巻かれていた。 表の道を、裸の男たちが組を作って走っていく。どこかの組にまぎれていこうかとテントの出口でぐずぐずしていたら、 「何しとんのや。寒がるくらいなら、出んな」 追い出されてしまった。沿道に見物客が並ぶ中を、寺の山門に向けて走る。山門をくぐり、まずは右手の水垢離に。腰の深さまで溜まった水垢離場の水は、もうさんざん人が入って黄土色の泥水だった。 「冷たいぞ!」 「おりゃあ!」 変な気合を入れて二人でジャブジャブ入っていく。冷たい。当たり前だが冷たい。 水垢離場を一周して、本堂へ。本堂とその周囲の境内はライトで煌々と照らされ、それを取り巻くように観客席が作られて、まるでコロッセオにでも立ったようだ。すでに本堂の大床の上は「升一つの面積に三人が立つ」といわれるのも納得の大混雑。へたに無理して床に上がると押し出されて床から落ちてしまうので、俺たちは本堂の周囲を取り巻く裸の人垣に入り込んだ。やはり体力自慢が集まってくるのか、ガタイのいい男が目につく。 「本堂大床で人が倒れています。押し合いをやめて救助に協力してください」 そんなアナウンスが流れ、救助隊が飛び込んでいく。押し合いで気絶したりひっくり返ったりした人が倒れている場所は、上から赤いスポットライトで照らされている。救助隊は頭より高く突き出した棒を背負っていて、どうやら群衆の中で仲間がどこにいるかをこれで判別するようだった。満員の床に救助隊が踏み込むのだから、端の方で人が床からなだれ落ちる。危なくて仕方ない。 そんな救助劇が幾度か繰り返された。 「救助が終わるまで、宝木は投下されません」 寒いから早く投下してくれー。濡れたまわしと足袋が冷たい。 と、突然本堂の照明が消えた。宝木が投下されたらしい。本堂のほうで人がもみ合っているらしい。その人波から走り出していく人もいるが、本当に宝木を持っているのかサクラなのかも分からない。本堂での奪い合いがこの境内のほうに下りてくるはずだが。 本堂に向かって左側、俺の場所に近い柱のあたりで、人の渦ができた。俺も渦に巻きこまれていった。二手に分かれた人波がぶつかり合っているような具合だ。宝木には香が焚きしめられているそうだが、かすかな香りがしたような気がする。しかし、前の人波は動かず後ろからはどんどん押されるので、立っているのがやっとだ。歩を進めれば必ず誰かの足を踏む。そのうち渦の端から押し出されてしまった。もう宝木は抜けた(境内から出た)らしく、なかば放心状態の男たちが取り残されている。時間にして5分もたっていないのではないだろうか。 離れ離れになっていた友達を見つけて、境内を出ていく人の流れに乗った。来年はもっと早く来ていい場所を取りたいものだ。 着替え所に戻り、まわしをほどいて(結び方を覚えておこうと思ったが、とても自分ではできそうにない結び方がされていた)、砂でじゃりじゃりする裸足に靴を履いて銭湯へ行った。 翌日、漁港の朝市でとろ箱ひとつ1000円で殻つきのカキを買い、友達の家で蒸して食べまくった。うまかった。
by ride_on2002
| 2008-02-16 23:55
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